添田町森林組合 伊藤さん
この仕事を始めたきっかけはなんでしょうか?
前に働いていた測量関係の仕事を辞めて何もしていない状態で、身内のおばさんから紹介されました。
入社前と入社後でギャップを感じたことを教えてください。
二十歳で前職の測量関係について、かなり機械化が進んでいたのですが、当時の林業は人力が主というか、山の中が仕事場なので、ほぼ自分の体で働くというのがギャップを感じました。
林業は今でも機械化は進んでいないのでしょうか。
いえ、もう自分達の班は重機を使っています。切った木を丸太にして、丸太を運び出すまでが仕事なので、機械化がかなり進んでいますが、それでも木を倒すのは結局自分の体でしないといけないので、半分人力、半分機械のような感じです。
普段の業務内容を教えてください
杉の木などを倒したり、草刈りをしたりと色々あります。
草刈りというのはどこでやるんでしょう。
山の木を全て切ってしまったらは野っ原みたいになる。そこから葉っぱが生えたりするので、その草を刈って片付けて、また苗を植えます。
苗を植えるのもやるのですか。
いえそれは他の班がやります。自分達は木を切る、倒すばかりです。
どのようなときに仕事のやりがい、魅力を感じますか?
考えた通りに仕事が進んだりうまく出来たら、良かったなと思います。
伐採のスケジュールや行程表はどのくらいあるのでしょうか。
自分の班では大体の作業の流れがあるので、そんなに厳密な工程表まではない。3人チームで動いているんですけど、3人で今日はああしよう、こうしようと話すぐらいで、あとは各々が判断して動きます。
仕事をするうえで大切にしていることを教えてください。
長年勤めていて慣れが出てくると、安全管理というのがどうしても疎かになり、スピードが第一の考えになってしまいがちなので、今は安全第一というのを目標に毎日動いています。一瞬で大怪我をしてしまうような仕事なので。
仕事をするうえで難しいことはなんですか?
木を倒すことが一番大事だと思っているので、「手間のかかるような木」の倒し方。うまく切らないと危険な目に遭いそうだという木のときは、どうしよう?と。
どういった木が切りにくいのでしょうか。
重心が下向きになっている(傾いている)木。上に起こし上げるのですが、そんなときは木を引っ張る道具を使うのですけど。
木を切る方法はチーム全員で考えるのでしょうか。
そうです。
お仕事をされて20年目とのことですが、印象に残っている仕事を教えてください。
道路の拡幅(かくふく)工事の現場で、大きな木を山側に起こし上げる仕事があったのですが、入社してまだ5〜6年で、自分が上手く仕事をこなせた事が忘れられないですね。かなり大きな木で、山スレスレに立っていたもので大変だったなあと。
「起こし上げる」というのは?
大木の高さは10〜20mだったんですけど木の先端にワイヤーをかけて、山の高い地点から引っ張る道具を2個使って、人力で船を漕ぐように木を起こし上げながら、ベテランの方がゆっくりと切りながら、バキバキと音を立てて(道路の反対側に)切り倒しました。大変だったというかうまくできてよかったなあと。
人力だったんですね。
重機が行けないようなところだったので、人力でやるしかないし、すぐ下は道路なので山側に倒すしかなかったので。みんなで連携していないと失敗する可能性が高い仕事でした。チームワークは大事です。
どのような方がこの仕事に向いていると思いますか?
アクティブ、行動力があるとか、元気のある人が一番向いているんじゃないかと思います。
コミュニケーションも大事ですか?
そうですね。
林業に関する仕事に就こうとしている方へのメッセージをお願いします。
チェーンソーや刈払機などを自分でそろえる必要があるので、ある程度覚悟を決めて、やる気を持って仕事に来てくれれば続けれるんじゃないかなと思いますね。大変な仕事ですから。